【ストーリー】
財閥を率いる北畠家の長女である北畠蝶子。
容姿端麗で物静かな彼女には、驚くべき秘密があった。
ある日、見るからに胡散臭い男と共に蝶子は車に揺られていた。
目的地では、上流階級の連中に集う淫猥な秘密パーティが開かれていた。
そして、舞台に上げられた蝶子は衆目の中、縄化粧された裸身を晒す……。
私には余り感情の起伏が無い。
其れは自覚している。
心が動く事が少ないから、
好悪を感じる事も少ない。
恐らく普通の女なら耐え難いであろう事も、
嫌悪すら感じず受け入れる事が出来る。
それは一般的に言って不幸な事なのであろうが、
私のような境遇の人間にとっては幸いな事だ。
だが、其れでも、
苦手な相手はいる……それは。
──ドラマCD『苦手』より