『エロゲーとわたし番外編』
連載第25回
2000年10月22日。
いやぁ、幸せの国2へ行けました。良かった良かった、ぶるまー2○●●!!
そんな訳でこのコーナーも本当の最終回ってぇことなりまして。ほんとーに最終回です。『続エロゲーとわたし』とか『新エロゲーとわたし』とか『その後のエロゲーとわたし』とかしてリニューアルオープンする計画はありません。
すくなくとも、このHPで私はやらないです。 やらない・・・だろうなぁ・・・。
まず始めに。
この載る予定の無かった番外編を載せてもいいと言ってくれたストーンヘッズ事務兼広報の天然甘栗嬢に特別に感謝したいと思います。
このHPの開設、更に更新等の運営は、ほとんど彼女が一人で行っていたものなのです。
更新当日になって、やっと元テキストを持ち込んでくる私に嫌な顔一つせず、きちんとこのコーナーの更新を行ってくれた彼女無くしては、当コーナーを書き続ける事は出来なかったでしょう。
週一で載せる約束を何度も破ってしまってごめんなさい。
彼女も今月の25日づけで退社です。長い間御苦労様でした。
さぁて、では予告通りびしばしと片端から質問に答えやしょう!!
ちぇけら!!
その1『蝶子の部屋の扉に彫られた古橋隆信下とはナニか?』
これはですねぇ。下じゃなくて、3と言う意味なんですね。数を記録するとき『正』と言う漢字を書いていくじゃあないですか。あれで、いに、にい、さん、3画目まで彫られてるという事です。
つまりです、あれは古橋隆信と言う男が自分がこの部屋に来た記念に彫ったもんなんですね。まぁ撃墜マークみたいなもんです。何が3回かと言やぁそれは、「使った」回数ですね。少なくとも鉄哉君はそう考えます。
まぁ真実は解りませんが、よねの口振りからして、鉄哉以前に蝶子を助けようとした男は居無かったらしいので、真実なんでしょう。
とすると、おそらく古橋隆信君は紫陽花屋敷の庭に埋められてしまったんでしょうね。ナンマンダブ。
その2『女郎蜘蛛エンドで出てきた蝶子の子供は、あの後どんな人生を歩んだのですか?
又、縄化粧エンド以降の蝶子は?』
えー、困ったです。
実は私にとって『女郎蜘蛛』と言う話はあそこで終わりで、各エンディング以降の事は殆ど考えていないです。そういう訳でこの質問には、答える事は出来ません。
ただ、ある企画を考えていた時、蝶子エンド以降の事を少しだけ考えた事があります。
その内容を大サービスで本邦初公開しましょう!! どんどんぱふぱふ!!
あの事件後、あの世界の日本にはこの世界と少し違った純潔大和民族至上主義のファシズム政権が成立し純潔日本人以外への大迫害を始めます。外国人、白人と結婚していた様な者達、更に国内の少数民族、植民地にされていた地域の反抗的な人々は収容所へ送られ、次々と虐殺されていきます。
そして国際社会から孤立した日本は無謀な侵略戦争へ突入していきます。
いち早く海外へ拠点を移した北畠財閥は、この狂気のファシズム政権に対する国内の抵抗運動に海外から多大な援助を行います。
ファシズム政権はそれを憎悪し、北畠財閥の国内資産を差し押さえ、更に秘密諜報機関を使って中立国に亡命していた北畠蝶子を誘拐し、非国民の巨悪として国内の政治犯収容所へ収監します。
まぁそこで蝶子は18禁ゲームなヒドイ目に遭うわけです。監禁暴行調教スカトロのオンパレード・・・PILのエロゲーですから。蝶子って不幸。
それともこういう想像をする私が悪者なのかなぁ。
世界を相手にした日本は、敗北を繰り返し、追いつめられ、艦隊は壊滅し拠点の守備隊は次々と玉砕し、国内にも爆弾の雨が降り食料は不足しと悲惨な坂道を転がり落ちていきます。
そんな中、鉄哉君は腕利きの傭兵達を引き連れ危険に満ちた日本へと侵入し、国内の反政権グループと共に蝶子を救出し更には国外の勢力と協力し政権を転覆ようとします。それを察知した秘密警察との裏の世界での過酷な戦い。
鉄哉は蝶子の精神が破壊され肉奴隷とされる前に愛する蝶子を助ける事が出来るか!?
ってな話を、考えました。
ですがこれはこの企画の本筋じゃありません。
私個人には『女郎蜘蛛』の続編を作る気は全くなく(今でも無いですが)。これは、世界観は引き継がれているけど全く違う登場人物達が展開するドラマに、背景として出てくるお話しとして考えていました。
つまり『女郎蜘蛛』とは全く違う企画と言う事です。北畠財閥、蝶子、鉄哉等は、この物語の登場人物の口から背景として語られるだけです。もっとも蝶子の拷問シーンくらいは出てきたかもしれませんが・・・エロゲーですから。
それに、上記の話が『女郎蜘蛛』のシナリオライターである私が認定した唯一の続きと言うわけではありません。
この企画では、主人公とヒロイン(鉄哉と蝶子では無いです)を取り巻くある状況を設定する為に『狂信的な純潔主義のファシスト政権に支配された日本』が必要だったのです。
そのシナリオに奥行きを与えるために『女郎蜘蛛』の続編的な要素を入れようと考えただけです。別に『女郎蜘蛛』の続編で無くても成立する企画なのです。
ですから今後この企画が何かの弾みで間違って世に出る事があっても『女郎蜘蛛』との関連は消えた物になるでしょう、きっと。
『女郎蜘蛛』にはトゥルーエンドはありません。全てのエンドは全て等価値な可能性世界です。全てのエンドがトゥルーエンドであるとも言えるかもしれません。伊佐治を助けるエンドも蝶子とラブラブになるエンドもプレイヤーの選択の結果という意味ではエンドとしては同じ価値を持っています。だからほぼ全てのエンドでスタッフロールが出てくるわけです。
もっともシナリオとしては蝶子エンドに至るシナリオに力が入ってしまった事は否定出来ませんが・・・・・・。
確かに蝶子とラブラブになると、北畠にまつわる妖しい事件の真相はかなり明らかになります。だからいわゆるトゥルーエンドっぽいです。
ですが、この人生、実際問題として身の回りに起こっている事の真実が解るなどと言う事の方が少なかったりします。だから真相が全く分からなくても、それはそれで一つの結果だと、私は思うのです。
その3『ラストで未砂緒に初恋の人の手紙を渡す条件は?』
えっと、まず手紙を書斎で手に入れないといけません。それから蝶子が奴隷状態で無い事も必要です。この二つは確実ですが・・・随分昔の事なので、情けない事にシナリオライター自身ももはやハッキリとは覚えていないです。
蝶子の告白を聞いている必要もありそうです・・・あまり役に立たなくてすみません。
その4『最後の日に仏間へ行くと鉄哉が骨壺を手に取る意味は?』
あれは、シナリオライター自身の迷いがあったシーンです。
他の箇所で、拳銃(魔宇挫唖)は2丁ある、と言う情報があったと思います。
1丁は蝶子が蔵書室に隠し、もう1丁もやはり蝶子が骨壺の中に隠して居たわけです。私は、条件によっては鉄哉が骨壺の中から拳銃を見つけると言う事があるようにしようかと思っていたのですが・・・いざあの箇所を書くだんになったら、鉄哉君が骨壺の中に手を突っ込むと言うほどエキセントリックな行動をどうしてもしてくれなかったのです。
確かに幾ら骨壺の中に疑問を持っても・・・何の根拠もなく骨壺の中に手を突っ込むと言うのは飛躍がありすぎです。
どうしても書けなかった私は、もう一度立ち止まって考えました。
そして鉄哉君が動いてくれないのは展開に無理があるからだろうし、それに震災当日以前に鉄哉が拳銃を手に入れると、シナリオが余計煩瑣になると思い。結局、骨壺から拳銃を見つけると言うイベントは廃止したのです。
その5『蝶子エンディングで那賀川がやっていた企みが話される条件は?』
確か、蝶子とのエンドになって、かつ狡猾度(残虐度)が高くないといけなかった筈です。
その6『鉄哉の実家はどの辺りですか?』
ずばり、神田神保町です。少なくとも私の頭の中ではそうでした。
でも今、考えてみると・・・神田って震災で滅茶苦茶ヒドイ目にあったとこやん。でも鉄哉の実家が震災でわやくちゃになったって言う話はドコにもなかったし・・・となると、震災の被害が余り無かった都心に近い場所と言う事になりますね。と、すると現在の千代田区佐久間町、つまり秋葉原辺りなのかも。
いい加減ですみません。
他にも資料調べが足りなくて結構間違った所があって、例えば当時浅草十二階のエレベーターは止まっていたはずなのに、テキストでは動いていた事になっていたり・・・大正って15年しか無かったせいか資料が少ないんだよね、と言い訳してみたり。『サクラ大戦』とかも結構大変だったんだろうなぁ。
ちなみに『サクラ大戦』は『女郎蜘蛛』が終わった後で購入しました。
好きなキャラはプレイ前は神崎すみれだったのにプレイ後は李紅蘭になっていて我ながらびっくり。李紅蘭と『少女革命ウテナ』のアンシーの声優が同じと知って二度びっくりしたものです。なにもかも懐かしいなぁ。
その7『北畠家は清邦、未砂緒どちらの家系なのですか?』
未砂緒の家系です。清邦は入り婿です。
ゲーム内のどこかにあったと思いましたが、未砂緒と清邦の結婚は、事業の発展の為に特権階級の仲間入りがしたかった清邦と、大層な家名だけが取り柄の没落華族北畠氏(と言うより未砂緒の父)の利害が一致して成立した物です。
もし海軍士官が生きていたらどうなっただろう?
海軍士官と未砂緒は恋している段階で終わってしまったから、未砂緒の中で綺麗な状態で思い出が残ったんだろうとも思うのです。
海軍士官がどんな人間だったのか・・・・・・? シナリオライターとしては未砂緒の視点でしか海軍士官を見ていないので、なんとも言えないです。
その8『茉莉絵は洋装している時、下着も洋装ですか?』
やはり気になりますか下半身は・・・。
おそらく、輸入物の下着を付けていたと思われるので洋装です。
ただ、最近手に入った資料によれば当時の人は洋装でも下着を着けない方が普通だった様です。股間に布が密着しているのはどうも落ち着かない物だったらしいです。なんせ江戸時代までは腰回りに布を巻いてただけだったらしいし、洋装なんて震災後まで余り普及して無かった見たいですからね。
地方によっては戦前までそうだったらしいです。
でも茉莉絵はハイカラさんだから、着けていたのでは無いでしょうか。
その9『震災の後、紫陽花屋敷は再建したのですか?』
女郎蜘蛛エンド以外では間違いなく再建していません。草に覆われた荒れ地に焼却炉だけが残っています。
女郎蜘蛛エンドで出てくる妖しげな屋敷は紫陽花屋敷と同じ物なのかは、シナリオライターにも解りません。
その10『蝶子エンドで震災の後、蝶子はどこで寝起きしていたのですか?』
恐らく那賀川が用意した家なり屋敷なりで、よね、茉莉絵らと共に生活していたと思われます。蝶子の仕事の関係上、更に虚栄とは程遠い蝶子の性格(知らないだけ、と言う可能性もあるが・・・)からして、北地ビルに通うのに便利な場所つまり都心にほど近い場所のつましい場所であると思います。
又は北地ビルに居住区がある可能性も否定できません。
その11『北地ビルに寝泊まりする機能はあるのでしょうか?』
質問その10とも関連がある事ですが、少なくとも蝶子が泊まり込んで仕事をしているなら、そういう機能が作られた可能性は高いです。
その12『蝶子エンドで、蝶子の身体に刻まれた縄の痕は一生消えないとなっていますが、
その場合、紫陽花屋敷が焼けた後、蝶子はどこで湯浴みをしていたのでしょうか?』
恐らく、質問その10で住むことになった場所には、家風呂があるのだろうと思います。当時家風呂は贅沢な物ではありますが、北畠は大金持ちな訳ですし、銭湯には行かないでしょう。
更に言えば、彼女に身体に縄の痕がついているのを知っているのは、一部の医療関係者(しかも北畠財閥の系列下の医療機関でしょう)と、よね、茉莉絵、鉄哉(おそらく那賀川も)等のごく僅かな関係者だけです。
医療関係者には脅迫と報酬、更に北畠財閥への忠誠心による口止めがなされ、よね等が喋る事が無い以上、あのエンドの時点では秘密は漏れていないと思われます。なぜ、あのエンドの時点と言うかと言えば、最初に書いたようにあれ以降の彼らに何が起こるかは私には解らないからです。
そう言えば、PIL作品のアンソロジー漫画集で御堂明日香さんという人だけが『女郎蜘蛛』のアフターストーリーを描いてくれたけど、その話では社長室で蝶子と鉄哉がHするんですよね。らぶらぶな話。
ちなみに私はラブラブな話って基本的に好きです。田中ユタカの漫画全部持ってますから。任せて!! まぁ私の趣味はどうでもいいんだけど。
もちろん蝶子は下着無しの和服。それで乱れる。
もし北地ビルに蝶子が泊まる場所があるなら・・・若いふたりはそこでもくんずほぐれつ若い情熱を燃やすのでしょうか? それともオフィスでしか燃えない体質になっていたりして。幸せならいいか。
蝶子って真面目だから、オフィスとかでHすると心理的に抵抗激しそうだし、でも鉄哉君とはラブラブだから結局は断り切れずにしちゃうのだろうなぁ。
きっと、よねさんは全部お見通しに違いない。
でも、社員の誰かに見られて・・・そいつに脅されたりしてフランス書院で団鬼六なことになったりして。うーんエロゲーな展開だ。
と、これで当コーナーに来た質問全てに答えたのですが・・・・・・。
予想通りとはいえ『女郎蜘蛛』に関するものばかりでした。
うきゅ。少し悔しいが、まぁしゃあないか。
確かに『SEX2』『輪恥』『MAID iN HEAVEN』『核融合少女リップルちゃん』は謎を探る気分になるゲームじゃないし『スーパーエレクト大戦SEX』『ドライブ・ミー・クレイジー!!』は売れなかったし『犬』は一番謎めいているけど、あれは私の私小説だし。
でも、本当の所は、認めたくない真実だけど・・・ユーザーに『どうして?』と思わせる力が足りないのだろうね、きっと。
まだまだ私も精進が足りないって事ですね。
次に皆様に会う時には、もっと魅力的になって登場したいものです。
では、どこかのエロゲーのスタッフ、出来るならシナリオライターとして、皆様と再び会えることを祈念しつつ、しばしの別れです。
このコーナーを愛読してくれた全ての皆様へ、
また会う日までさようなら。そしてありがとう。
BY 『犬』『スーパーエレクト大戦SEX』『SEX2』『輪恥』
『女郎蜘蛛』『学園ソドム2』『MAID iN HEAVEN』
『ドライブ・ミー・クレイジー!!』『核融合少女リップルちゃん』を
ストーンヘッズのシナリオライターとして書いて来た
まるちゃん改め丸谷秀人でした。
これで終わりじゃないさ!!
再見!!
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たくさんの励ましをいただき、誠に有難うございます。
読むたびに、本人共々、皆様のお心遣いに、とても感謝しております。
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ご愛読ありがとうございました。
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