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● 丸谷秀人のつぶやき千里・第5回

 なんと! 今回は締め切りぎりぎり。昨日からメールが4回来たし、さっきなんか電話があったしで本当にぎりぎり。もうにっちもさっちも行かない。迷惑かけまくり! なんて申し訳ない因果な稼業! 別名自業自得! いつでも自業自得!
 でもまぁこれは当然のことでして、実は、あえてぎりぎりまで書かないでいれば何か新しい世界が開けるとか馬鹿なことを考えて書かないでいたわけです。これぞ死中に活を求める! 虎穴に入らずんば虎児を得ず! つらかった! あえて書かないこのつらさ! 締め切りが迫ってくるどないしょーどないしょー、と小市民的におびえる神経をなんとかなだめる戦いの日々! 思い出すのもつらい苦しみだった! もちろん今も苦しい!

「アホですね」
「うるさいな、シナリオライターたるもの常に新しい展開を目指して日々挑戦しなけりゃならないんだよ。まぁ、シーツには判らないだろうけど」
「判ります」
「判ってくれるか!」
「単に書けなかっただけですね」
「書けなかったんじゃなくて書かなかったんだ! だからボクは締め切りを頭から追い出すために一生懸命頑張った!」
「具体的には?」
「素人バンドを組んで夏休みに岡山や九州や沖縄までツアーしに行ったり、双子の吸血鬼姉妹と再会したり」
「ああ、してましたね」
「レプリカントの美女にエロい事をしたり、弱小ソフトハウスの原画家になって先輩グラフィッカーに噛まれてみたり」
「痛そうでしたね」
「よわっちい巨大ロボットに乗ったり、クリッターという怪物に右手を伸ばしてみたり」
「そうでしたね」
「魔法使いの女の子を育成してたり、わけもわからずこっちを嫌う女の子にアタックしてみたり」
「確かに全部事実ですね」
「うむ。そうだろう。とても人間業とは思えない大活躍さ!」
「つまり18禁ゲームをしていたんですね。しかも再プレイが半分以上ですね」
「い、いや、そんなことはないぞ」
「ああ、そういえば、ドイツの小国プレイでアフリカに植民地を作っていましたね」
「そうだろうそうだろう」
「ハンニバルになってアステカやドイツを征服してましたね」
「ま、まぁね。って、全部見てたのかよ!」
「18禁ではありませんが、あれもゲームですね。再プレイですし」
「い、いいじゃないかゲーム! 少なくともパソコンの前に座ってたぞ!」
「座っていれば仕事が出来るんですか?」
「出来る! 出来るのだ!」
「ほー」
「……すいません出来ません」
「全く辛そうに聞こえませんね」
「辛かったんだよ!」
「ほー」


イラスト:ためこ

「いや、ボクだって実は書こうとはしたし、実際書いたんだよ。本当なんだ。知人を訪ねるために住宅街を歩いていたらラヴェルのボレロに合わせて太極拳をやっている老人に会い、ボクの視線に気づいた老人は妙にはりきっちゃって素晴らしい技の数々を披露してくれたって話を昔の日本の私小説っぽい文体で書いたんだよ。な、見てたなら知ってるだろ?」
「オチは、ハッスル(死語)しすぎた老人が倒れてしまったんで怖くなって逃げた、でしたね」
「な、ちゃんと書いたろ! ボクは働いているんだ!」
「書いたけどつまらなかったから没にしたんですね」
「い、いや、そんな事はないぞ」
「ではなぜですか?」
「いつか、コネタとして使おうと思って」
「誰かが言ってあげるのが親切だと思うので言ってあげますが」
「なら言わんでいい」
「そのネタ面白くありません」
「ぐわ」
「すいません。私、親切なもので」
「いつかほとぼりが醒めたら使うんだよ」
「ああ、その頃には鮮度が落ちてもっとつまらなくなっていますね」
「ひど!」
「そもそも、その老人の話自体、でまかせですよね」
「い、いいじゃないか! フィクション上等! シナリオライターは面白ければ何書いても許されるんだ!」
「ですから、面白くありません」
「ぐは」
「記述は全てフィクションです。実在の人物・団体・事情などには、いっさい関係ありませんのであしからず」
「なんで唐突に?」
「そろそろ言って欲しいだろうと思って気を利かせてみました」

 っていうか、どうして毎回ボクはこんなに七転八倒してんだろう? このコーナーの趣旨にふさわしく、『仏蘭西少女』の進捗具合でも書けば、このコーナーを読んでいてくれるごくごくごくごく希少な読者も喜ぶし、ネタに苦しむ僕も助かる。馬鹿だからか。まぁそれもあるんだろうけど、実際に書けることがないのだからしょうがない。いや、順調ですよ。本当ですって。少なくとも以前に比べれば嘘のように順調。夢でも見ているみたいに。実は夢だったりして。

「記述は全てフィクションです。実在の人物・団体・事情などには、いっさい関係ありませんのであしからず」
「ここで言うな!」
「言って欲しそうだったので」

 ああ、なんだか本当にそんな気がしてきた。すべては邯鄲の夢。目が覚めると『仏蘭西少女』が全然進捗しない悪夢の日々に戻るのかも。いや、それどころか『仏蘭西少女』自体が存在しない世界で、マトリックスだったりしたらどうしよう! 考えてみれば、順調であること自体が変だ。ありえない。いや、そもそも、こんなにも完成しない企画が十年近く中止にならず続いていることがおかしい。何もかもありえない。つまり、これは『仏蘭西少女』というゲームが企画中止になるのに耐えられなくなったボクの妄想なのだ! そうか、あまりに細部までよく出来ているんで今まで気づかなかった! いや、気づきたくなかったのか……。それにしても、新規のイベントグラフィックから雑誌の特集記事まで妄想するとは、すごいぜボクの妄想! 完璧な仕事だ! うん。なんだかイケソウナ気がしてきた! これだけの妄想が作れるんだから、ボクもまだまだ戦える!

「アホですね」
「うるさい」

●まっ たく 邯 鄲 だ!(ブルワーカーの広告っぽく)
いえいえ、リアルですマジです現実です。

次回は7月中旬掲載予定です。どうぞお楽しみに!!

2008/6/27

● ビジュアル的にはまたちょっと潜伏してますが

弦之助でございマッスル!
『キン肉マン』は20年ぶりにジャンプで復活だそうで。
ジョーンズ先生も19年ぶりにスクリーン復帰なさったそうで。
『怒首領蜂 大復活』は1周目でカンスト出ちゃったそうで。

ナニを書いてるのかよくわからなくなってきましたが、
再始動した『仏蘭西少女』が着実に進行してるのはよくわかります。
ジグソーパズルのピースがひとつひとつ嵌まっていって
「ふむふむ、なるほど、こういう絵になるのねぇ」
と全体をイメージできるような状態になったとでも言いましょうか。

そんなこんなで夏コミの準備も進めつつ、
主題歌やムービーの仕込みにもせっせと取り組んでいます。
まだ仕込み段階だから見せられないんですけど。
いいモノになりますよ! 本当に!!

CODEPINKのほうもキリヤマ隊長が開発室でモゾモゾと蠢いているようなので、
そろそろモモコさんに近況を教えてもらおうカナー? と。

来週のスタッフルームは丸谷さんにご担当いただく予定です。

それではまた!

2008/6/20

● スペシャルなゲスト【第3回・大石竜子さん】

 弦之介です。今月もやってまいりました『仏蘭西少女』ゲストコラム!
早いものでもう第3回!
ものごとに集中していると時間が経つのが早いなんて言いますから、
きっと僕らは開発にメリメリ集中してるんでしょう!

さて、今回はライアーソフトさんの『Forest』『インガノック』の原画でおなじみ
(なじんでなかった方は、この機会にゼヒどうぞ!)
大石竜子さんでっす!

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こんにちは。大石竜子と申します。
『仏蘭西少女』では、背景・小物等をお手伝いさせていただきます。
緊張するワーと、プリンのごとくブルブルしておりますが、
と、とにかく頑張ります!

大正時代と少女と言えば、祖母の家にある少女雑誌を思い出します。
その頃は『赤い鳥』を始めとした、児童文学が盛んになった時代ですね。


イラスト:大石竜子

海外への憧れと夢を凝縮した、砂糖菓子のような少女画が愛らしく、
特にフランスの良き時代と言われる『ベルエポック』の影響を受けたデザイン、
大きなリボンとレース、極端なローウエストとハイウエストに
スカートの膨らんだドレス、奇抜な帽子、靴下とエナメルシューズ、
カラフルな小物、擬人化した動物ナドナド、見ていて心躍ります。カワウィー!

また、洋装だけど顔は和風だったり、
手法はアール・ヌーヴォーだけど着物だったりして、
和洋折衷のキメラな美しさも好きです。

お仕事では、こんな時代の雰囲気も出せたらいいなと思っております。
ではでは、これで失礼します。
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大石さんの絵の色彩や世界観は独特でとても魅力的ですが、
言語感覚もイイですよね! 才人! そこに痺れる憧れるゥ!
(そういえば、テックジャイアンさんで何か企画が進行中というウワサを聞きましたョ)

それではまた!

大石さんのHPはコチラ!
【ひっそりHPあらあら】

2008/6/13

● 夏前でもアツイ!

弦之助です。
こっそりシューティングラブ。な僕ですが、
『ナントカ大復活』よりも『隅人王』が楽しみです。
スゲエです。オモロイです。
もういっぺん書いときます。
『隅人王』スゲエ! オモロイ!

……さて。

先月の[つぶやき千里]で丸谷さんが書いたように、
今年の夏のコミックマーケットには出展することが決まっています。
開発も一所懸命に進めていますが、こっちもテキトウにはできないナ!
というワケで、まだ梅雨に入ったばかりでも開発室はじわりとアツくなってきました。
くわしいことは随時情報をお知らせしていきますので、どうぞお楽しみに。

最後にちょっとだけオマケ。
キリヤマ隊長があれこれと描きためているものをちょっとだけ公開しちゃいます。


▲やっぱエロいですな〜!! いや超エロい!!

ではまた!

2008/6/6